パンデミック後、「完全対面」に戻すのは正解か?
コロナ禍で急激に普及したZoomやGoogle Meetによるオンライン授業。
「実技ができない」「学生の集中力が持たない」といった課題から、制限解除後に「すべての授業を対面に戻した」養成校も少なくありません。
しかし、システムが整った今、オンラインの持つ「時間と場所の制約からの解放」という絶大なメリットを捨ててしまうのは、教育の質と教員の労働環境の両面において非常にもったいない選択です。
「何を対面でやり、何をオンラインでやるか」の仕分け
ハイブリッド設計(ブレンド型学習)の基本は、授業の目的によって提供方法を切り分けることです。
【オンライン(オンデマンド)が適しているもの】
- 知識伝達型の座学(解剖学、生理学、法規など)
- 「教員が一方的に喋り、学生がノートをとるだけ」の時間は、教室に集まる必要がありません。
- 動画として配信することで、学生は「早送り」「巻き戻し」「繰り返し視聴」という自分に合ったペースで学習できます。
【対面(教室・実習室)が絶対に必要なもの】
- 実技・触診・評価の演習
- グループワーク、ディスカッション(症例検討など)
- 「教員が直接手で触れて力加減を教える」「他者の意見を聞いて臨床推論を深める」といった、身体性やインタラクティブ性を伴うものは対面でしか成立しません。
ハイブリッド設計の具体的モデル(週単位の例)
ある専門科目の「1週間」をハイブリッドで設計した場合の例です。
- 月〜木曜日(自宅でオンライン):教員が作成した15分程度の「疾患の基礎知識」に関する事前学習動画を視聴し、小テストを受ける。
- 金曜日(登校して対面):事前知識をベースに、実際の評価方法やアプローチを90分間みっちりと実技演習する。
これを実施することで、教員は「毎週同じ90分の講義をする」というルーチンから解放され、対面での高度な実技指導や個別フォローに時間を割くことができます。
学生の「孤立」を防ぐオンライン・コミュニティ
オンライン学習で最も懸念されるのが「学生の学習モチベーション低下」と「孤立化」です。
これを防ぐためには、Google
ChatやClassroomのストリーム機能を使い、「この点についてどう思う?」と教員が問いかけ、学生同士がオンライン上で意見交換できる「場(コミュニティ)」を意図的に設けることが重要です。
まとめ
「対面が一番良い」という固定観念を捨て、座学はオンライン(オンデマンド)で効率化し、その分の時間を対面での実技・対話に全振りする。これがこれからの養成校が目指すべき教育の最適解です。
Logic Pulleyでは、学校ごとのカリキュラムに合わせたハイブリッド型教育の導入・運用サポートを行っています。現状のカリキュラムを見直したい先生方、ぜひお気軽にご相談ください。
【参考・引用元】
- 文部科学省:遠隔教育の推進
- 総務省:教育分野におけるデジタル活用の現状と課題
