動画教材(反転授業)を取り入れた実技科目の効果的な指導法

教育DX 2026.03.09 著者: 古井 雅也

実技の授業で「デモを見るだけ」の時間が長すぎませんか?

理学療法士・作業療法士の養成校において、最も重要なのが「実技」の授業です。しかし、多くの学校で以下のような光景が見られます。

「教員がベッドの中央で手本(デモンストレーション)を見せる。40人の学生が周りを囲むが、後ろの学生は手元がよく見えない。デモに30分かかり、学生自身が手を動かして練習する時間は限られてしまう。」

「反転授業(Flipped Learning)」というパラダイムシフト

これを解決するのが、近年注目されている「反転授業」です。
従来の「学校で教員の説明を聞き、家で課題(練習)をする」という流れを逆転させ、「家で動画の手本を見て基礎知識を入れ、学校では教員が見守る中ひたすら実技演習(アウトプット)をする」というスタイルです。

反転授業を成功させる3つのステップ

1. 手元がアップになった動画を事前配信する

「ROM測定」や「車椅子移乗」などの手順を、スマホやiPadで撮影(手元がよく見えるアングルで)し、3〜5分程度の短い動画にまとめます。これを授業の数日前にGoogle Classroomなどで配信し、学生に「必ず見てから授業に来ること」と伝えます。

2. 授業の冒頭で「チェックテスト」を行う

「動画を見ないで来る学生」を防ぐため、授業の開始5分で、動画の内容に関する小テスト(Googleフォーム等で選択式)を実施します。「動画を見ていれば満点が取れる内容」にすることで、事前学習の習慣を定着させます。

3. 授業の90%を「学生が手を動かす時間」にあてる

学生はすでに「何をするか(手順)」を頭に入れた状態で登校してきます。
そのため、教員のデモは省略(あるいは数分のおさらいのみ)し、すぐにペアを組んで練習を開始させます。教員は「全体に向かって一方的に喋る」のではなく、各ベッドを巡回し、「間違った代償動作をしているペアにのみ個別指導をする」という、真に価値のあるファシリテーションに時間を割くことができます。

まとめ

反転授業は、限られた授業時間における「学生の経験値」を最大化します。一度良いデモ動画を撮影してしまえば、教員は翌年以降もその動画を使い回すことができ、業務の効率化にも繋がります。
Logic Pulleyでは、こうした「新しい授業の型」を構築するためのご支援を行っています。

【参考・引用元】