AppSheetで作る学生ポートフォリオ(学修歴)管理アプリの新しい形

ICT活用 2026.03.09 著者: 古井 雅也

学生の情報が「点在」する恐怖

「〇〇君、実習でコミュニケーション不足を指摘されたらしいけど、1年生の時の面談ではどんな感じだった?」「えっと、紙の面談記録ファイルを探します……あ、去年の担任のExcelに入ってるかもしれません」

養成校おいて、学生の「成績データ」「面談記録」「実習評価」「欠席理由」が、様々なシステムやExcelファイル、さらには教員の頭の中(属人化)に散らばっているケースは非常に危険です。退学の兆候や学習のつまずきを見落とす最大の原因になります。

Googleの「AppSheet」で自校専用のカルテアプリを作る

近年、プログラミングを行わずにアプリを開発できる「ノーコードツール」が普及しています。中でもGoogleが提供する「AppSheet(アップシート)」は、普段使っているスプレッドシートのデータをそのまま「スマホやPCで動くアプリ」に変換できる強力なツールです。
このAppSheetを「学生ポートフォリオ管理」に転用することで、劇的な情報共有が可能になります。

1. スプレッドシートをデータベースにする

学生名簿、これまでの成績表、面談記録を入力しているスプレッドシートをAppSheetに読み込ませます。すると、自動的に「学生一覧画面」「詳細画面」「新規入力画面」を持ったアプリが生成されます。

2. あらゆる情報をアプリの「1画面」に集約する

作成したアプリ内の学生詳細画面(カルテ)には、以下のような情報を持たせることができます。

教員間の「引き継ぎ」がゼロになる

学年が上がり、担任が代わっても、新しい担任はその学生のアプリ画面を下へスクロールするだけで、過去数年間の「その学生のすべて(学修歴・性格・課題)」を完璧に把握できます。
また、廊下で学生に声を掛けられた時や、実習先への訪問時でも、教員は手元のスマートフォン(iPadやPCでも可)で瞬時に専用アプリを開き、面談記録を入力したり過去のデータを確認したりできます。

注意点と導入のコツ

機微な個人情報を扱うため、AppSheetを使用する際は「教員のみがログインできる強固なアクセスコントロール(Google Workspaceアカウントでの認証)」が必須です。
また、最初から完璧なデータベースを作ろうとせず、「まずは面談記録のアプリ化だけやってみよう」と小さく始めるのが成功のコツです。

Logic Pulleyでは、専門学校特有の運用に合わせたAppSheetアプリの初期構築から、教員への使い方レクチャー(研修)まで一貫してサポートしています。教務室の情報共有に課題を感じている方は、お気軽にご相談ください